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文化財修復

阿弥陀堂修復情報 宮殿修復Vol.2「宮殿の調査」

宮殿くうでんの調査(2020.11.1)

解体を終えた宮殿くうでんは、修復方法を決定するための調査を行います。 この調査では、解体した宮殿のすべての部材の採寸と損傷状態の確認を行います。

宮殿の部材からは、木材を成形したときに用いられた手斧ちょうなの跡や組立時に用いられた和釘わくぎの跡、後年に行われた修理の跡等が確認されました。これらの痕跡と装飾の作風から宮殿は、江戸時代に製作されたものと推定されます。

この調査の結果を基に図面を製作し、宮殿の修復を行っていきます。

屋根裏の和釘と手斧を用いた成形跡
(◯の箇所が和釘、枠内が手斧の跡)

※宮殿:寺院の内陣において御本尊を安置する三方に扉のない仏殿のことです。

※手斧:木材の表面を削り取る道具です。江戸時代ま では、手斧を用いて粗加工を行っていたので、木材の裏面には波のような痕が残っているのが特徴です。明治時代以降は製材が機械化したため、両面の綺麗な木材が使われるようになりました。

※和釘:古くから用いられている釘の種類で、現在使用されている軸部分が丸い洋釘とは異なり、軸部分が角ばった形をしています。

土台部分の調査の様子

実測の様子

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